エクステンションセンターについて

ご挨拶

未来に受け継ぐ大学開放の伝統

 1886(明治19)年、大隈重信らとともに早稲田大学の基礎を築いた高田早苗の発案により、東京専門学校(早稲田大学の前身)に「校外教育制度」が発足しました。1882 年の創設からわずか4 年後、今から130 年前のことです。校外生制度はその後60 年以上に亘って全国各地の校外生およそ100 万人を受け入れたと言います。校外生を対象とした「早稲田講義録」の発行、「巡回講話」と呼ばれる地方講演会の実施など、多くの人々に学びの機会を与えることを使命に積み重ねられた大学開放の取り組みは、時代を越えて脈々と受け継がれ現在のエクステンションセンターへと引き継がれています。
 1981(昭和56)年に開設されたエクステンションセンターは、早稲田、八丁堀、中野の3 つのキャンパスに年間1,800 クラスの公開講座をオープンカレッジとして開講し、のべ約4 万人の方が受講する国内屈指の生涯学習機関に成長しました。2014 年には、新設の中野国際コミュニティプラザ内に国際学生寮WISH と共に中野校を開設し、現在では年間8 千人を超える方にご利用いただいています。これからも地域との密接な連携を進めながら、より多くのみなさまに一層活用していただけるよう拡充に努めてまいります。
 2015 年3 月、教育再生実行会議はその第六次提言において、社会に出た後も誰もが「学び続け」、夢と志のために挑戦できる社会、「学び続ける」社会の実現を提言しました。また、本学の中長期計画「Waseda Vision 150」でも社会人教育の拡充を掲げて、本学が現在実施しているさまざまな社会人教育事業を、学習者のキャリアアップとライフステージに沿ってより体系化されたプログラムサイクルとして確立すべく再構築を進めているところです。今後の展開にご期待ください。ところでオープンカレッジには、この「学び続ける」社会の模範となるロールモデルを実現している方が数多くいらっしゃいます。オープンカレッジの特色のひとつ、独自の単位制により受講単位を積み重ねて修了に必要な76 単位を満たした修了生は2 千人以上。初めて受講されるみなさまには、そうした先輩方も模範にしていただきながら、多様なバックグラウンドを持つ仲間たちと交流して、学ぶことの素晴らしさを大いに味わってください。

人と人をつなぐ知のネットワークの創造

 「校外教育制度」によって推し進められた知の開放への取り組みは、列強諸国に肩を並べるべく近代化を成し遂げることが急務であった日本にあって、帝国大学の設立によってこれを成すことをめざした国に対し、「民の独立こそ国の独立をなす」ことを理念に創設された本学の精神を反映したものでした。当時、東京専門学校の学生数は1 学年約200 ~ 300 人。校外生制度は、それではなかなか日本を良くすることはできないと考えた高田早苗による施策であり、やがて早稲田大学教旨の一つ「模範国民造就」へと結実する早稲田大学教育方針の萌芽でもありました。囲い込みではなく、広く全国に知見を広めるとともにその理念をも拡げていこうとするその精神は、その裏返しとして大学のキャンパスに人を集めることと表裏一体の取り組みでもありました。大学が社会人教育を担う意味は、時空を超えてそうした知の共有のコンテクストを維持・共有することにあります。
 エクステンションセンターは、1981 年の創設以来、早稲田大学の教育研究機能を広く社会に開放し、多様な学びの要望に応えることを使命に、公開講座-オープンカレッジを展開してまいりました。30 有余年を経過した現在、その規模は10 ジャンル1,800 講座に達しました。講師には、学内教授陣に加えて学外からも多彩な講師陣をお迎えしています。こうしてお迎えする講師陣は、ある専門分野を深く探求して得た、通り一遍ではない特別な知見を有する方々です。そのようなそれぞれの分野の第一線で活躍されている専門性豊かな講師陣に講座をお願いできるのは、大学が「知のハブ」として人を吸着する機能を有しているからに他なりません。これも大学にしかできない重要な役割であると考えています。
 知識の共有化と民主化を進めて、常に新たな素晴らしい付加価値を与え続けることこそ大学の教育機関としての使命であり、早稲田大学にはその力があり、またリードしていく使命があると信じています。これからも不断の努力をもってより良いプログラムの提供を目指して取り組んでまいります。
 どうぞ早稲田大学ならではの多彩で魅力的な講座を存分に堪能してください。